身体強盗再び 第3話「加奈、捕まる。」

作:onaona

 

亮司は加奈の身体に抱きつき、足をわざと滑らせた・・・・・。
二人は勢いよく階段から落ちた。
 
「いててて、まぁ、これで戻っただろ・・・・・って、あれ?」
 
どうやら元のままらしく、彼の目の前には加奈がいた。入れ替わることは
できなかった。
 
「なっ、なぜだ・・・・。」
 
そのとき・・・・・・・。
 
パトカーが近くまできていた。どうやら警察に目撃されたらしい。
彼は加奈から離れて一目散に逃げこんだ。
 
パトカーから30代半ばくらいの婦警が降りてきた。
 
「大丈夫ですか、お嬢さん?」
 
「ええ、なんとか。」
 
「そうですか、それは良かった・・・・・。」
 
婦警はそう言って不適な笑みを浮かべながら手錠を取り出し、
加奈の手にそれを嵌めた。
 
「・・・・・えっ、なんで?」
 
「ちょっと、ついてきてもらえますか、お嬢さん。」
 
彼女はそう言い、加奈をパトカーの後部座席に乗せて車を走らせた。
 
「わっ、私が何かしたんですか?」
 
「いいえ、あなたは何もしてません。」
 
「じゃあ・・・・なんで・・・・。」
 
「・・・・・・。」
 
彼女は無言のまま車を走らせ、人気のない森の奥に入り、ひとつの古い倉庫の
前で止まった。
 
「さぁ、降りてください、お嬢さん。」
 
彼女は加奈を強引に引っ張り、中へ入った。
すると、中には30〜40歳くらいの男性が3人いた。そのうちの一人は縄で
縛られて身動きがとれない状況になっており、しかも気絶していた。
 
「おう!!早かったな。」
 
「まぁな、こんなにスムーズに行くとは思わなかったぜ。」
 
婦警は目前にいる彼らと話すと男性のような荒っぽい口調に変わっていった。
 
「へぇー、この娘か。可愛いじゃねえか。今度はその娘の身体を俺にくれよ。」
 
「いや、だめだ!!俺にくれ!!」
 
「わかった、わかった。ジャンケンな。」
 
「おうよ・・・・・。」
 
加奈には、この会話の内容が理解できなかった。身体をくれ?とはいったい
どういうことなんだ?
 
加奈の頭にクエスチョンマークがついた。そしてジャンケンが終わると・・・・・。
 
 
「よっしゃ、勝った。その娘の身体、俺が頂くぞ。」
 
「ちっ、しかたねーな、好きにしろ。」
 
「さぁ、こい、女!!」
 
婦警に強引に引っ張られ、階段を下りて地下にある部屋まで連れられた・・・・・・。
その部屋には、2つの怪しい椅子が置かれていた。椅子周辺には多くのいろいろな
コードがあり2つの椅子に繋がっているようだ。
 
そして、さきほど、ジャンケンに勝った男がその片方の椅子に座った。
すると、加奈は婦警に手錠を外され無理やり、もう片方の椅子に座らされた。
 
最後には頭にヘルメットのようなものを被らされた。もう片方の椅子に座っている
彼も同様にそのヘルメットを被り、ニヤリと嫌らしい表情をしながら座っていた。
 
「じゃあ、さっそく始めるぞ。」
 
「おう、もう少しでその身体が俺のものになる。楽しみだな。ふふふ。」
 
男はそういい残し、目を瞑った。
 
そのとき、身体が痺れ始めた。最初は静電気ほどの痺れ具合だったが急に
強い電流が流れ、加奈は気絶した。
 
それから2、3時間ほど経って加奈は苦痛により目覚めた。
下を見ると、自分の身体に縄が繋がられていることにすぐに気がついた。
そのせいか身動きがまったく取れないでいた。
 
「やぁ、ようやく気がついたようだね、ふふふ。」
 
前を見ると、自分自身・・・・・・『遠藤加奈』が立っていた。
 
「君の身体をもらったんだよ。この身体をありがたく使わせてもらうぞ、へへへ。」
 
前に立っている『加奈』は不適な笑みを浮かべた。
 
「なぁ、自分の今の姿みたいだろ?見せてやるよ。」
 
『加奈』は鏡を取り出して加奈に見せた。
すると、そこには加奈の姿はなく、先ほど 加奈と同様にあの地下の部屋の椅子に
座っていた男性の姿が映し出されていた。
 
「どっ・・・・どうして・・・・?」
 
「ふふふ。地下のあの部屋にあったのは入れ替わり装置なんだよ。君の精神と
俺の精神が入れ替わったんだぜ、すごいだろ。これから、君の身体を俺が面倒みて
やるから俺の代わりに俺として警察に行ってくれよな。頼むぜ!!」
 
彼は例の火災事件を起こした囚人のうちの一人だった。
 
「・・・・・なんで、私が・・・・・。私の身体、返してよ。」
 
「へへへ。それはできないな。それに・・・・・・。」
 
すると、『加奈』は身に着けていた制服のブラウスのリボン、ボタンを外してブラを
捲り、胸を露出させた。その胸を可愛らしい小さな手で嫌らしく揉み始めた。
 
「それに・・・・まだこの身体で楽しんでないからな。たくさん俺にご奉仕してもら
うぞ。そうだ、まずはオナニーでもしようかな。ふふふ。」
 
「やっ・・・・・・やめてっ・・・・・そんなことしないでっ!!」
 

 
そのころ、加奈との身体の再入れ替わりに失敗した石柿亮司は森の奥にある
古小屋まで逃げ込み、そこで休んでいた。
 
「あーあ。身体まだ痛むな。こうなるなら階段から落ちるんじゃなかったぜ。
俺としたことが・・・・・。」
 
『遠藤加奈』の身体は・・・・・・いったいどうなるのか!!
 
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