着替える男 第2話「リプレイシング」


俺は工藤翔太、大学2年生。
大晦日の日に友人の山崎徹が持ってきたフィメールマスク、全身タイツを着せられ、
学園のアイドルである白鳥恵の姿になってしまったのだが・・・・・・・。

年が明けて日付は気がつくと1月4日になってしまった。
俺は徹が持ってきたフィメールマスク、全身タイツを着せられてしまい、なぜか脱ぐ
ことができず今日に至ってしまった。

「やべーよ。どうすんだよ、これ。明日、学校だし、ホントどうしよう・・・・・・。」

俺は白鳥恵の姿で部屋を右往左往しながら、これからのことを考えていた。

そのときだった・・・・・・・。

ピンポーンッ!!

インターホンがなる。
誰かと思い、開けてみるとそこにいたのは、マスクを渡した張本人である山崎徹が
立っていた。

「よぉー、工藤、元気か?」

「何が『元気か』だよ。お前、携帯に電話しても全然繋がらなかったじゃん。どこ
にいってたんだよ。」

「あー、わりぃー、わりぃー。ちょっと、私用で忙しくなってさ。」

「私用?まぁ、そんなことはいいや、はやくこれを脱がせてくれよ。全然脱げないん
だけど!!」

「ああ〜〜、それね・・・・・・・。」

徹は少し考え込みながら言った。

「お前、もう少し着てみる気はないか?」

「はぁ〜〜?」

「いやぁ〜〜、だから、しばらく白鳥さんになってみないかってこと。」

「ふざけんなよ。なんで俺が・・・・・・・・。絶対に嫌だよ。」

「お前には断る権利がないと思うぞ。」

「・・・・・なに?」

「ほら、これを見ろよ!!」

「なっ・・・・・・これは!!」

徹は一枚の写真を見せた。

「あ、あやか・・・・・・綾香だよな・・・・・・・これは・・・・・・・。」

「そう・・・・・・それは綾香ちゃんだね。」

俺には綾香という彼女がいる。
その写真には綾香が椅子に座らされていて縄で縛られていて目隠しをされていて口には
猿轡をされている綾香が写っていた。

「なっ・・・・・・・これはどういうことだ?」

「どういうことって・・・・・・・・決まってるだろ!命令に従わないと綾香ちゃんが
危ないってことだよ。」

「お前ってやつは・・・・・・・・・・・どうすればいいんだ?」

「なーに、簡単なことさ。しばらくの間だけ白鳥恵として暮らしてくれればいい。
ただ、それだけさ。」

「・・・・・・・わかった、仕方ない。だけど、すぐにバレるんじゃないのか?」

「心配ない。すべて準備しておいたさ。ちょっと来てくれないか。」

「ああ、わかったよ。」

俺は防寒具を着て外に出た。そして徹のあとをついていった。
歩いて20分のところに一軒のアパートがあった。俺と徹は階段を上ってある部屋の前で
立ち止まった。

「おっと、ここだ。」

「ここって?・・・・・・・まさか!!」

「そう・・・・・・・・ここは白鳥さんの家(部屋)だよ。」

鍵は開けられていた。

「さぁ、あがってよ。」

「おっ、おい、いいのか、勝手に入って?」

「大丈夫、大丈夫!!」

「そうかぁ〜〜。」

そういいながら中へ進むと、ある女性の声が聞こえた。

『むぅ〜〜、むぐぅぅううう〜〜!!!』

「なっ、これは!!」

「・・・・・・ふふふ。」

そこにいたのは白鳥恵だった。綾香と同様に身体が縄で縛られておりそれが椅子で
固定され、目には目隠しをされていて口には猿轡をされている。

「おっ、おまえがやったのか。」

「ああ、俺がやったよ。彼女に関しては麻酔で眠らせるから安心して白鳥恵
として過ごしてね。」

『うぐっ!!』

徹は恵を麻酔で眠らせた。

「じゃあ、俺はこれで・・・・・・。」

「おっ、おい、待てよ。」

バタンッ!!!

徹は扉を閉め、外に出て行った。

「ええええ!!これから、どうしろっていうんだよ。」

恵は酷い状況になっていたのでとりあえず、拘束を解いてベッドに寝かせた。

「これからどうなるんだろうな・・・・・・・・いったい・・・・・・。」

俺は部屋を右往左往しながら今後のことを考えたのだが何も思いつかなかった。








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