着替える男 第7話「スペントデイズ」


「よぉ〜〜、好き勝手にやってるみたいだな。」

そこに現れたのはホテルの一室に監禁されていた皮マスクによって白鳥恵の
姿に女装させられた工藤翔太と、工藤翔太の姿に男装させられた白鳥恵だった。

彼らは大声を出して部屋を開けてもらった。

「・・・・・・・ふふふふ。・・・・・・・・・ようやく着いたみたいだね。
待ってたよ。」

恵は不気味な笑みで彼らを迎えた。

「ふざけんな!はやく俺たちを元に戻せ!山崎!!」

「おっと、それはできないよ。お前たちに被せたマスクは特殊でね。一度装着したら
取れないことになってるんだ。俺のマスクは別だよ、外したいときに外すことができる。」

「なん・・・・・・だと・・・・・・。」

「そっ・・・・・・・そんなぁ・・・・・・・・。」

「ふふふ、それにひとつ誤解してることがあるんじゃないのか?」

「何がだ!!」

「どーせ、俺のことを山崎徹だと思い込んでいるだろ?」

「なにっ!!・・・・・・・・おまえ、山崎じゃないのか・・・・・・・・。」

「ああ・・・・・・・。俺の正体を見せてやるよ。」

すると、そこにいた恵に変装した山崎だと思われていた人物は頭部に左手を当てて、
髪を引っ張り始めた。すると、顔がどんどん上に引っ張られる。それはゴムのように
伸びてやがて、それは外れてしまった・・・・・・・。

恵の顔(マスク)が完全に取れてしまったようだ。

すると・・・・・・・そこに男のゴツゴツとした顔が現れた。

「なっ・・・・・・・これは・・・・・・・・・おまえはいったい誰なんだ?」

恵の顔マスクを外すと、そこには40歳くらいの男性の顔が現れた。
それは、まったく知らない人物だった。

「へへへへ、相当驚いているようだろ!ん?俺が誰かって、聞きたそうな顔を
してるなぁ!!仕方ない、最後に教えといてやるよ。」

彼はこれまでのことを語り始めた。

「俺は変装の名人で長年、他人に変装して生きてきた。前に着用していた女性の身体
(マスク)があきてしまったから、今度は別の人物に乗り換えようと思ってね、探し
てたんだよ。インターネットで『フィメールマスク販売』等で広告を出したら応募が
殺到してね、個数が限られていて仕方なく抽選をして山崎徹という君の友人が当選した
ため、彼にマスクを手にいれさせたんだよ。そして彼に取り巻く女性関係を調べて、気
に入った娘がいたら、着替えようとおもったわけさ。」

「なん・・・・・だと・・・・・・。じゃあ・・・・・・・・山崎はどこにいるんだっ!!」

「山崎・・・・・・・・・何いってるんだ?それなら君の後ろにいるじゃないか!」

彼は工藤翔太の姿に男装させられた白鳥恵のほうに目を向けた。

「ま・・・・・・・まさか・・・・・・・・そんな・・・・・・・・・。」

「ふふふ、そのまさかさ・・・・・・・・・。そこにいる君に変装しているのは白鳥恵だと
思っているだろ?そこにいるのは白鳥恵じゃなくて山崎徹なんだよ!!」

「なにっ、おまえ、山崎なのか?」

「・・・・・・・えええっ、私、山崎くんじゃないよっ!!」

「ふふふ、催眠が聞いているみたいだね。彼には自分が白鳥恵だと思い込むように催眠を
かけたのさ。」

「じゃあ、本物の白鳥さんはどこに・・・・・・?」

「ふふふ、それなら自分のアパートで眠ったままだよ。これから君はそのまま白鳥恵
になってもらって白鳥恵を山崎徹にするつもりなんだ。本来であれば関係者は処分する
つもりだったんだけど、お気に入りの娘が見つかって気分がいいんだ。だから生かして
あげるよ。」

「お気に入りの娘っ・・・・・・・・・いったい・・・・・・それは!!」

「ふふふ、こっちにきてくれないか!」

彼は部屋の一室に案内した。
そこでショックで気絶している綾香を発見した。

「おい、おまえっ、綾香にいったい何をしたんだ!!」

「何もしてないさ。ただ、ちょっと、身体の感度を調べさせてもらっただけさ。今から
彼女の身体を模ってマスク、全身タイツを作るから大人しく待っててね。」

すると、彼はスプレーを取り出していきなりそれを噴射した。

「うわぁ〜〜。」

それにより意識が失ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・。

気がついたのは数時間後のことだった。俺は身体全身、縄で縛られていた。身体が逆海
老状態になり床に転がっていた。

「ふふふ、ようやく気がついたようね。お姉ちゃん。」

俺の目の前に立っていたのは高校の制服を着た綾香だった。
綾香らしくない不気味な表情を浮かべている。どうやら、こ子にいる綾香は偽者であの
男が変装したもののようだ。

まったく、綾香そのもので誰が見ても偽者とは気づかないだろう・・・・・・。

「あやかは・・・・・・・・綾香は無事なのか・・・・・・・?」

「ん?何言ってるの、お姉ちゃん。昔の綾香なら死んだよ。だから今は私がアヤカだ
よ。ふふふふ。それよりもお姉ちゃん、姉妹同士でいっぱい楽しもーね♪」

そういうと、そこにいるアヤカはスカート、ショーツを脱いでワイセツブツを俺の・・・・・
完全に白鳥恵となった俺の女性器に突き刺した。

「うぐぅっ!!あああああっ!!!あああああああんっ!!」

俺は突如襲った快楽のあまり白鳥さんの声で大きな声で喘いでしまった。
アヤカは何度も俺の女性器にワイセツブツの出し入れを繰り返す・・・・・・。

「ふふふ、いい声だね、お姉ちゃん、これからもいっぱい可愛がってあげるねっ♪あっ、そうだ、
昔の記憶は消さないとね。ふふふふっ!!」

そういうと、俺は急に意識が薄れ始め、気絶してしまった・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

そして・・・・・・・・・・それから三ヵ月後・・・・・・・・・。

「綾香、先に出るね。」

「うん、いってらっしゃい、お姉ちゃん!!」

4月になり綾香は恵と同じ大学に入学し、一緒のアパート(部屋)に住み始めた。

「あっ、工藤君と山崎君だっ。おはよー!」

「おう、おはよー。」

「おはよう、白鳥さん!!」

彼らも俺と同様に催眠がかかってしまい、自分のことを『今の自分』だと思い込んでい
るようだ・・・・・・・・・・・。

・・・・・・という俺も自分のことを『白鳥恵』だと思い込んだままである。
今の綾香の正体も忘れてしまい、おそらく、永遠に気づくことはないだろう・・・・・・・・。

そうして綾香に着替えた男は彼女に成りすまし、しばらくの間だけ彼女として生活し
続けたのだった・・・・・・・・。


―着替える男(完)―




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