パンプキンアワー −二人だけの月夜−

 

ある日、路地裏に一匹の猫が住みついた。
猫は飼い主に虐待を受け続け、ついには家を追い出され、
ノラとなってしまった。
 
その猫は今まで家で飼われていたために野生ではやって
いけなかった。
 
動きが鈍く、獲物が全くとれず、腹を空かせていた。
 
だが、ある朝、猫が道端で横たわっていた、そんなときに・・・
猫のもとにひとつの皿が置かれていた。
 
そこには猫のエサが置かれていた。
猫はそれに気がつくと、無我夢中でそれを食べ続けた。
 
その日以来、朝と夜の2回、エサが置かれるようになった。
エサを置いていたのは20代前半くらいの男性だった。
 
猫はその青年の与える食べ物を毎日のように楽しみにしており、
彼が来るのをいつも待っていた。
 
だが、ある日を境にその青年は猫の元から姿を消した。
 
猫は空腹を繰り返し、辺りをうろついていた。
彼の帰りを待ちながらも・・・・・・。
 
「ミャ〜〜、ミャァ〜〜。」
 
猫は鳴き続けた・・・・・・。
 
ある日の夜、猫のもとにひとりの老婆が現れた。
老婆は猫を見ると、微笑んで飴玉のようなものを取り出した。
 
「これをお食べ。」
 
猫は黙ってそれを舐め始めた・・・・・・。
 
すると、猫の周りが光に包まれ、猫が急に人間の姿に変化した。
 
「こ・・・・・これは・・・・・・いったい・・・・・・?」
 
「さぁ、いくよ。あの人に会わせてあげるよ!」
 
辺りは再び光に包まれ、違う場所へ移動した。
 
そこは大きな月が照らす塔の上だった・・・・・・。
 
「ここはどこ?」
 
辺りを見渡すと老婆の姿はなかった。
 
そのとき向こうから足音が聞こえた。
それは、徐々にこっちに近づいて来る・・・・・・。
 
何者なのか確かめるために姿を見ると、そこにはあの
青年が立っていた。
 
彼は猫にプレゼントを渡した。
それは大きな南瓜のようなものだった。
 

 

 

彼は目の前にいるのが以前エサをあげていた猫だと気づいていた。

 
それから二人はお互い話すことができ、二人だけの楽しい夜となった。
 
 

 
 
そして朝になり、近くの住人によって猫の死骸が路地裏で発見された。
猫は空腹のあまりに息絶えたらしい・・・・・・。
 
だが、その猫の表情を見ると・・・・・・・
猫は幸せそうに笑っているように見えたという・・・・・・。
 
 
 
 
 
 
 
パンプキンアワー −二人だけの月夜−(完)
 

 
〜あとがき〜
 
力不足でいろいろ意味不明な部分も多々あると思いますが、ご了承を・・・・・・。
少し補足すると、
 
     猫は空腹のあまりに息絶えており、死後の世界(あの世)に送られた。
     青年は、なんらかの事故に巻き込まれ既に死んでいた。(猫の前から姿を消した理由)。
     そのため、死後の世界(あの世)で猫と会うことができた。
 
もっと描(書)きたかったのですが時間の都合でいろいろ省きました。
 
最後まで読んでくださった皆様ありがとうございます。
 
 
 

 

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